今日の長井先生の話は「ゴニンカン」というトランプゲームについて。
このゲームは青森県五所川原市近辺にしか無いというご当地ゲームである。なんでも明治時代にロシア艦隊が日本に来た時上陸した兵士が流行らせたとか。5人で演るゲームから5人関係の省略形「ゴニンカン」になったものとか。ルールは昔学生の間で流行した「ナポレオン」に近いものとか。
噺のほうは今年8月二つ目になったばかりという柳亭信楽の「家見舞」。クサイ話だが信楽は癖のない素直な話しぶりでよかった。
今日の昇也の噺は「胴乱の幸助」。上方の噺で関東でやられることはめったにないという。
まくらは前座修業の話でそれが微妙に本題に関係する。前回もそうだったが昇也は大まかなようでいて噺全体に神経が行き届いている。生前の桂歌丸が前座は昇也でなければ承知しなかったという。全てにおいて行き届いているのだろう。
無一文から成り上がって大きな炭屋の旦那になったという幸助が主人公の話である。そういう者にありがちなことだが仕事一点張りで趣味がない。唯一の趣味が喧嘩している者たちを仲裁するというもの。毎日のように出歩いては喧嘩している者たちを探すという。街を歩いているとある家の中から大声がする。実は浄瑠璃の師匠が稽古をつけていたのだが無趣味の幸助にはわからない。やおら仲裁に入ると…。
江戸編と上方編に分かれていてそれぞれ登場人物が違う。浄瑠璃も歌わなくてはならない。この大ネタを昇也は危なげもなくこなした。見事なものだ。
かるた亭は毎回長井先生の落語に関する興味深い話と二つ目の落語家と昇也の噺がひとつずつというちょうどよい寸法の会である。長続きしてほしい。
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