神保町のかるた屋さんの2階で落語会である。約40名くらいのキャパであった。
観客は常連が多いらしく親しげに声を掛け合っていた。全体が和気あいあいとした雰囲気である。
女性社長の挨拶の後、読売新聞の長井好弘先生の落語雑談から始まった。上方落語はどういう場所でやって出演者の特徴は、という足で収集した貴重な情報を話してくれた。
落語のはじめは桂伸三で「竹の水仙」。話の途中までてっきり「抜け雀」だと思って聴いていた。筆と衝立の代わりに表の竹を切って持ってきてくれといったところから違う話だと気がついた。
落語には「紺屋高尾」と「幾代餅」とか似た噺があるものだが「抜け雀」と「竹の水仙」もよく似ていた 。
次は春風亭昇也の「武助馬」。これも珍しい話。芝居噺で滑稽な話であるからもっとやられてもいいと思うのだが。
この落語会は春風亭昇也と長井先生が常連、毎回違うゲストを呼んで月に一回開くという主旨の会であった。観客も近所の商店主と思われるおじさんおばさんが主で全体的に気楽な雰囲気であった。
テレビ・ラジオが普及する前は町内会にひとつはこういう小規模な寄席があって近所の人が夕食後のひとときを楽しんでいたらしい。神保町かるた亭はそういう雰囲気を想像させるものであった。
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