真夏のとげぬき地蔵通り商店街を通り抜けて庚申塚の角を右に曲がり、少し行くと打ちっぱなしのコンクリートの建物がある。ここの1階がスタジオフォーである。ミュージシャンの西島夫妻が経営している。
30分前だが30人ほどの客が入っていた。最終的には40人ほどになったからこの会場のキャパシティとしてはちょうどよい人数だ。
はじめは今年二つ目になった春風亭一花で「たらちね」。おなじみの前座噺である。話しぶりも落ち着いていて前座とは一味違う。
次は桂優々で「船弁慶」。優々は雀々の唯一の弟子である。色が黒くてスポーツマンタイプのイケメンだが話しぶりは師匠の雀々とよく似ている。
仲入り後は桂三四郎の創作落語で「かずとも」。軽妙にまくらをやっているかと思ったら何となく本題に入っていた。現代っ子の"かずとも"を独特の解釈で軽妙に演じた。
三四郎は語り口は軽妙だが切り口は独特で鋭い。落語家としていちばん大事なものを持っている。
トリは神田真紅の講談で「鍋島猫騒動より"初桜碁盤"」。長い因縁話の発端である。次はもっと面白いですよ、と言われるとぜひとも聴きたくなってしまう。講談は連続ものが面白い。
外に出たらまだ時刻は午後3時10分。地蔵通りは相変わらず年配の参拝客でいっぱいだった。
|