神田松鯉、松之丞と瀧川鯉昇、鯉八のダブル親子会である。
今一番勢いのある成金メンバー、松之丞と鯉八がそれぞれの師匠を招いての会である。場所はイイノホールということでメンバーも場所も申し分のない組み合わせであった。
まずは全員勢ぞろいでのトーク。弟子がリードして師匠から話を引き出そうとする。それを察した師匠達が率先して色々な話をしてくれた。
開口一番は松之丞の「橋場の長吉」。雷電爲右エ門ものの長い話から為右衛門と長吉が兄弟分の盃を交わすという話である。いつも通り力強い話ぶりであった。
次は瀧川鯉昇の「茶の湯」。おなじみの話である。鯉昇の軽い話ぶりがこの話にぴったりだった。
中入り後は鯉八の「やぶのなか」。何やらごちゃごちゃした男女の関係を鯉八独特の粘る調子で話して良くも悪くも鯉八ワールドを展開した。
トリは神田松鯉先生の「河内山宗俊玄関先の場」。悠々たる話ぶりで天保六歌仙の中の河内山宗俊ものを語った。
始まる前は明るかった官庁街はすっかり暗くなっていた。それぞれのビルにはまだ明かりがついていて「まだ仕事をしているんだろう、大変だな」と思った。
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