清瀬市主催の「清瀬けやき亭落語応援会、そうだ じゅげむ きこう」の会は今回で77回を数える。毎月一回やって77回。今回の立川こしらを除いては若い二つ目中心の会だから落語の普及に貢献する価値のある会である。
演目はかしめの「桃太郎」と「金明竹」。こしらの「火焔太鼓」と「小言幸兵衛」。
本落語会は二人会の形式だがタイトルは立川こしら独演会となっている。かしめは前座でまだ二つ目になっていないから自分の名前での落語会はできない。師匠のこしらが自分の独演会でかしめに二席やらせてみようと思ったのだろう。規模の小さいけやき亭なら問題にはならないだろうと。
かしめはのびのびと高座を務めた。前座噺とは言えない「金明竹」も堂々とやってのけた。
こしらはいきなり志ん生の十八番「火焔太鼓」をやった。志ん生と違うところは亭主をお屋敷へ行かせる前のおかみさんの妄想にふくらみを持たせたことだ。
志ん生の噺では松の木に吊るされる程度だが、こしら版では落とし穴に落とされたり忍者に囲まれたりする。
「小言幸兵衛」でもそうだった。部屋を借りにきた仕立て屋の話に幸兵衛が妄想する。
その妄想がふくらみにふくらんで仕立て屋の息子と近所の呉服屋の娘おはながロミオとジュリエットばりの大恋愛をすることになる。
立川談志のいうイリュージョンが弟子や孫弟子に様々なやり方として伝わっているんだな、と感じた。
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