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チラシ

開口一番は玉川太福の浪曲で「地べたのふたり」シリーズからおかず交換。相変わらずの地べたのふたりシリーズは絶好調。玉川みね子の情念溢れる三味線の音も絶好調であった。

次は坂本頼光の活動写真弁士。初めて聴く人だ。マキノ省三が撮った無声映画にナレーションをつける。特に凝った演出もなく昔の活弁通りのやり方で音をつけていく。

おまけと称してやった「サザザさん」には驚いた。「サザエさん」の漫画を水木しげる風に描いて登場人物の風貌を昔の俳優にする。例えば波平は「殿山泰司」、猫のタマは「小池朝雄」、マスオさんの会社の上司は「小松方正」という感じ。近所の眼鏡屋の主人が「大滝秀治」で検眼をするときのギャグがめちゃくちゃ面白かったりする。

話の内容もタダでは済まない。波平の兄が磯野家に刺青を彫りに来たり、波平がシャブをやっていたりする。絵は坂本頼光本人が描いたものである。

この会に呼ばれるくらいだから普通の活弁のはずはない。大変な人がいるものである。

中入り後は神田松之丞。読み物は「天明白浪伝」より「稲葉小僧」。大泥棒稲葉小僧が泥棒に入った屋敷で傷を負い、休みに入った遊郭で役人に捕まりそうになる。やっとの事で逃げるのに成功したが…。という話で全部やると10時間はかかるという話の一部である。

稲葉小僧が無事に逃げ切るまでがハラハラする。逃げた後いろいろあるらしいがそれは次回のお楽しみということになったが、ぜひ聴いてみたい。この話を全巻通しでやってくれないものか。

演目

トリは三遊亭萬橘で「二十四孝」。親を粗末にする八五郎が大家さんのところに来る。

大家さんは昔中国にこういう話があったといい、「二十四孝」の話をする。感心した八五郎は自分も親孝行を実践しようとするが…。

普通にやると説教臭い話になりがちな噺を萬橘はめちゃくちゃに壊す。壊し方があまりにめちゃくちゃなので逆にこういうのが本当の親子の姿かな、と感心してしまう。

クセ者揃いの最後を飾るにふさわしいクセ者萬橘の本領発揮であった。


 

(演目)
   ・地べたのふたり〜おかず交換 ----- 玉川太福
   ・雷電為右衛門、サザザさん ----- 坂本頼光
   ・仲入り
   ・稲葉小僧 ----- 神田松之丞
   ・二十四孝 ----- 三遊亭萬橘
  
                   
(時・場所)
   ・2018年2月6日(金)
   ・19:00〜21:35
   ・内幸町ホール


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