山下洋輔ニューヨーク・トリオ コンサートツァー2017  一覧へ


チラシ

東宮御所の森を左に見ながら雨の青山通りを急ぐ。今日のコンサートは6時半開演なので忙しい。高橋是清翁記念公園を通り過ぎると落ち着いた建物がある。草月会館だ。地下一階が今日の会場草月ホールである。

収容人員500名ほどの小さなホール。形が変わっていて舞台を取り囲むように客席が並んでいる。どの席からも舞台が近い。贅沢な作りだ。

このようなホールで聴く山下洋輔ニューヨーク・トリオは格別である。

「フォー・ロバーツ・セイク」から始まった。1曲目から山下洋輔の世界100%だ。

続いては祖父の建築家山下啓次郎氏を偲ぶ曲「ドバラダ」。山下啓次郎氏は明治の五大監獄を設計した建築家である。そのうちの一つ奈良少年刑務所は形を残したままホテルとして生まれ変わる予定である。

「エレジー」はベーシスト、セシル・マクビーの好きな曲と紹介された。静かでメロディックな曲。

「アップトーラ」は反対に激しくてアップテンポな曲。ドラマー、フェローン・アクラフの見せ場である。

休憩を挟んで始まった曲「ジェントル・カンヴァセーション」はトリオでやる時の名前。ピアノ・ソロでやるときは「ゆずり葉の頃」という。懐かしいようなメロディの曲だ。仲代達矢、八千草薫主演の同名の映画で主題歌として使われた。

「グルーヴィング・パレード」はディキシーランド・ジャズをイメージして山下が作った曲。賑やかで楽しい曲である。

アンコールは超高速「マイ・フェバレット・シングズ」。ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の挿入歌で有名な曲である。それをジョン・コルトレーンが2倍くらいの速さにしてジャズの名曲にした。コルトレーンの曲をさらに2倍くらいの速さにして目もくらむほどの超高速「マイ・フェバレット・シングズ」で今日のコンサートを締めくくった。

雨が上がった青山通りを歩きながら頭の中はアンコールの曲が渦巻いていた。


 

(曲目)
   ・フォー・ロバーツ・セイク 
   ・ドバラダ 
   ・エレジー 
   ・アップトーラ
   ・休憩 
   ・ジェントル・カンヴァセーション 
   ・ブルー・キャット 
   ・グルーヴィング・パレード 
   ・アンコール---マイ・フェバレット・シングズ 
(演奏)
   ・山下洋輔 ----- ピアノ
   ・セシル・マクビー ----- ベース
   ・フェローン・アクラフ ----- ドラムス

                   
(時・場所)
   ・2017年11月14日(火)
   ・18:30〜20:30
   ・草月ホール





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