柳家花緑独演会  一覧へ


チラシ

今日の花緑の会は噺と噺の間をまくらでつなぎ、仲入りなしで1時間半連続でやった。あれっという感じだった。座りっぱなしで1時間半は演者にとってどうだったんだろう。花緑は涼しい顔でやっていたが、客としては仲入りでトイレに行ったり頭を休めたりしたかった。落語はやる方も大変だろうが、聴く方も疲れる。頭の中にスクリーンを作ってそこへ次から次へと情報を送り込む作業をしているせいだろう。

花緑は最後まで涼しい顔で話し終えた。余計な力を全然使わず自然体で話しているからだろう。

今日の4つの噺には色々な登場人物が出てくるが老人をやると老人にしか見えず、女性をやると女性にしか見えない。芸の力か。

史上最年少22才という若さで真打になったというのは七光りではなく実力に裏打ちされたものだったに違いない。

「つる」は前座噺で前座がやるとまるで面白くない。花緑がやると大笑いしてしまう。何が違うんだろう。

「長短」は五代目柳家小さんが得意だった噺だ。花緑は少し大げさ目に気の長い人を演じていた。気の短い人の演技はあまり得意ではなさそうに感じた。

演目

「火焔太鼓」は五代目古今亭志ん生で有名な噺だ。あまりやる人がいないがだめな亭主としっかり者の女房の息も止まらぬ掛け合いは上手い人でないと間が抜けてしまうのだろう。花緑はらくらくと超高速な夫婦の掛け合いを演じていた。

トリは「刀屋」。人情噺で前3作のようには笑わない話だ。短気を起こそうとする若い徳三郎がいかにも思慮が足りないように見え、それを穏やかに諭す刀屋の主人がよくよく見ても老齢の主人にしか見えなかった。


 

(演目)
   ・つる ----- 柳家花緑
   ・長短 ----- 柳家花緑
   ・火焔太鼓 ----- 柳家花緑
   ・刀屋 ----- 柳家花緑

                   
(時・場所)
 ・2017年5月23日(火)
 ・19:00〜2:35
 ・よみうりホール



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