古今亭菊志ん「じぶんの落語」〜信じつづけたいものがあるから、Vol.3〜 という副題の落語会。
すべて初めて観客の前で演るおろしたての噺だった。

"たがや"では首をかしげながら、"稽古屋"ではきびしい顔で高座を下りて行った。"青菜"で初めて満足げな顔をした。

確かに"たがや"ではたがやの江戸っ子らしい向う意気のつよさがいまいち出ていなかった。野次馬たちの判官びいきもとって付けたような感じがした。
"稽古屋"でもお師匠さんがさまざまな職業を持つ弟子たちに次々に教える演目の違いを表現するのにメリハリがなかったようだ。ここは歌舞伎の早変わりのようなワザが欲しいところだった。

これではいけないと奮起したのか"青菜"では大熱演だった。熱演過ぎて空回りするところもあったが無事にやり遂げた。観客をはらはらさせるのも初演ならではのことだろう。

客演１のキャプテン渡辺は面白かった。
海パン１枚で出てこられたのには参ったが。テレビではこういう芸人を目にしてもなんともないが、前から２列目のほぼ正面の席からではどこを見たらよいのか…。
だけど彼の"クズ"ネタ、"パチンコ"ネタは面白かった。昔タモリが出てきたばかりの頃のいかがわしさを感じた。

客演２のナイツも面白かった。
キャプテン渡辺よりもメジャーな芸人らしいが見るのは初めてである。
左側のハナワという人は昔、S(エス)-A(エー)-G(ジー)-A(エー) サガと歌っていたハナワという歌手の弟ということだ。 この人のボケの演技は独特で将来有望ではないかと思った。

シアターウエストというのは300名弱の収容で落語を聴くのに最も適した大きさだと思った。菊志んもこれ以上大きいところでは演るつもりはないらしい。確かに落語は2,000人収容の大ホールで聴くものではないと思う。

(演目)
・たがや-------古今亭菊志ん
・漫談---------キャプテン渡辺
・稽古屋-------古今亭菊志ん
・仲入り
・漫才---------ナイツ
・対談---------菊志ん&ナイツ
・青菜---------古今亭菊志ん

(時・場所)
・2013年7月15日(月)
・13:30〜15:30
・東京芸術劇場 シアターウエスト