前読みは神田みのりで「山田真龍軒」。女流は落語より講談の方が無理がない。全部つかえないで語れるようになることが先決だが。
大岡越前守が彼らだけは許せないと言った三人の悪党、徳川天一坊、村井長庵、畦倉重四郎。今日は畦倉重四郎全19話連続読みの最初の3話である。
ぎっしり100人入った会場は始まる前から熱気に満ちている。
いつも通りダルそうに登場した松之丞は得意のまくらで笑わせてから「畦倉重四郎」の物語に入って行った。 第1話、第2話では畦倉重四郎の最初の悪事。第3話では大岡越前守が捕らえられた商人の冤罪を晴らす話となっている。
第3話で登場したのはみのり、松之丞の師匠神田松鯉。にこやかに出てきたが貫禄が違う。いわばダレ場と言われる話を堂々としたペースで語る。観客全員固唾を飲んで聴いている。 40分の語りの後「校倉重四郎のうち城富嘆訴の場でございました。ダレ場でございました」とにこやかに会場を見渡してゆっくり頭を下げた姿に会場は割れんばかりの拍手であった。
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