笑二、小辰二人会  一覧へ


チラシ

最終的に客席が5列になっていた。1列6人だから30人入ったことになる。この会場ではこのくらいがちょうどいい。

始めは二人のトーク。この会は毎回二人が指定のイベントを体験し、その結果を発表するらしい。第一回目が篠原演芸場。これはかなり良かったようだ。今日の発表は地下アイドル。地下アイドルって何?

二人の話を聞いているうちにわかってきた。女性グループが歌ったり踊ったりする。持ち時間は20〜30分。10グループくらい出る。演奏の合間に自分たちのCDを売ったりサイン会をしたりする。一緒に写真を撮ったりする。まだ知られていないがこれから有名になろうとする少女たちだ。13歳の子もいたらしい。

噺は笑二の「初天神」。相変わらず達者な話ぶりだ。ブレがない。時間が押しているから団子を食べ終わったところまで。トーク40分は長すぎた。

次は小辰の「明烏」。これはたっぷりだった。フラれた男が「朝の甘味はオツだね。」と言いながら甘納豆を食べるシーンは桂文楽の得意なシーンだ。これをやると売店の甘納豆が売り切れたという。小辰は若旦那よりも誘いに来た遊び人の男たちに焦点を当てて噺を進めていた。

仲入り後はトークの続き。8時半だ。時間が心配になってくる。
次回の体験の抽選だ。地下アイドルの後だけにハードルが高い。「裁判所傍聴」「都議会傍聴」「料理教室」「古賀政男記念館」等々。観客の拍手で「古賀政男記念館でカラオケのCDを作ってくる」に決まった。提出したのは今日の席亭。ドイツ人の女性だ。そういえば金髪の中年女性が楽屋を出たり入ったりしていたが、席亭だったのか。

膝代りは小辰で「たけのこ」。これは軽くて面白い噺だった。出始めの筍をまるで人間のように語る二人の御家人が真面目に語るほど観客は受ける。小辰はこういう話が上手い。

トリは笑二の「鼠穴」。寸前二人の女性が退席。笑二は「遅くなったからしようがないよね」と言いながら話し始めた。

先月の一門会で観客を緊張のどん底に送り込んだ記憶が新しい。今回は目と鼻の先の距離で笑二の「鼠穴」を聴く。記憶が新しいので前回ほどの緊張はしなかったが、前に座っている女性はハンカチがわりにしている落語家の手拭いをしきりに顔に当てている。人間の業。兄弟の絆。疑い。信頼。それらの言葉が浮かんでは沈み、互い違いに出てくる。

あまりやる人のいない噺だが笑二は自分のものにしようと頑張っている。そして迫力のある噺ができ上がりつつある。

ちなみに和室カフェの由来は「障子(しょうじ)と炬燵(こたつ)」の会からきている。


 

(演目)
   ・トーク-----地下アイドル体験談
   ・初天神-----立川笑二
   ・明烏-----入船亭小辰
   ・仲入り
   ・トーク-----次回の体験募集
   ・たけのこ-----入船亭小辰
   ・鼠穴-----立川笑二

                   
(時・場所)
   ・2017年2月1日(水)
   ・19:00〜21:40
   ・神保町・らくごカフェ







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