立川志らく独演会  一覧へ


チラシ

独演会の時はテーマを決めて話すのが好きな志らく、今日のテーマは「芝浜」である。

新作をやるのかな、と思っていたらそうではなく、「親子酒」を芝浜後日談として、「天狗裁き」を芝浜以前の噺として見立てた。前者は「酒」、後者は「夢」がテーマで芝浜サーガとしてふさわしい噺である。

また全て家族の話でもある。「親子酒」は父と息子の話、「天狗裁き」は夫婦の話である。両者とも一見いがみ合っているように見えるが実は仲がいい。仲がいいゆえのジャレ合いのようにも見える。

「芝浜」では魚勝の女房は泣く泣く亭主を騙す。好きな亭主がはつらつと働く姿が見たい一心で金を隠す。

隠したままでいることもできた。が、大晦日の夜除夜の鐘を聞きながら突然泣き出してしまう。

演題

泣きながら亭主に訴えることはただ一つ、「私を捨てないで」。この一言で、亭主を騙してまで立ち直らせようとする気丈で勝気な女房から弱くて可愛い女房に変化する。そのあと亭主が酒を飲もうが飲むまいが実はどうでもいいのである。これは男と女がお互いを思いやりながら一生懸命に生きていこうとする話なのだから。

年の瀬の風物詩になった「芝浜」。今時はベートーベンの第九のように何処かの会場で語られている。その中でも志らくの「芝浜」は最上のものであろう。


 
 
(演目)
   ・時そば-----立川がじら
   ・親子酒-----立川志らく
   ・天狗裁き-----立川志らく
   ・仲入り
   ・芝浜-----立川志らく

                       
(時・場所)
   ・2016年12月23日(金)
   ・13:30〜15:30
   ・よみうりホール


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