神保町は落語をやる場所が多い。狭い地域に数件の定席と今夜のようなホールがある。今日は東西のベテランの二人会である。ある程度のクオリティは保証されているので安心して聴くことができる。
先ずは前座、桃月庵はまぐりは自己紹介の言葉も落語の演題も聞き取り不可能であった。何をやったのかもわからず、帰りがけに張り出された演題を見てあれをやったのかとわかった始末であった。
雀々は旅先での騒々しいクジャク騒動のまくらから「手水廻し」に入っていった。東西の言葉の違いから騒動になるという上方噺である。途中から枝雀が話しているような感覚に陥るほど枝雀の話ぶりに似ていた。
喬太郎は「紙入れ」。手慣れた噺だ。平凡に不倫のまくらから本題に入っていった。
喬太郎の2席目は「蒟蒻問答」。これも手馴れた噺だ。今日の喬太郎は冒険をしない。
雀々の2席目は「一文笛」。先日中目黒の正覚寺で聴いたばかりだ。古典だけに何回聞いてもそれなりに面白い。前半のスリと侍の会話、後半のスリの先輩とスリの会話。それぞれ立場によって微妙にニュアンスが違う大阪弁の面白さは上方の落語家でないとだせない。
今日の二人会は二人とも手馴れた噺を持ってきて無難にこなした感じだ。東西のベテラン同士なだけに遠慮があるような気がした。
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