「ノッキン・キャッツ」という軽快な曲からスタートした。ドラムスの軽快なリズムが心地良い。高橋信之介のドラムスはいい。どんなふうに打っても音楽になっている。

次はガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」。サキソフォン・セクションの微妙な音色がガーシュインの時代の音色になっている。どのセクションをとっても名人ぞろいだ。もともとピアノ協奏曲だけに山下のピアノも時には軽快に、時には重く、時には激しく響く。

休憩を挟んでドヴォルザークの「新世界より」全曲だ。元の交響曲をそのままトロンボーンの松本治がジャズにアレンジした大作だ。

おなじみの「新世界より」のメロディが出てきてどういうふうにアレンジしたのかがよくわかる。交響曲ではあるがビッグバンド・ジャズでもあり、時にはフリー・ジャズでもある。どの部分を聴いても楽しい。それぞれのセクションのミュージシャンの見せ場もあり飽きることがない構成だ。

やはり高橋信之介のドラムスが核になっており、曲の流れをリードしていた。

山下洋輔のコンサートでは時々見かける筒井康隆が今日も来ていた。山下の音楽は中毒になるようだ。

(曲目)

• ノッキン・キャッツ-------------------------山下洋輔
• ラプソディ・イン・ブルー----------------ガーシュイン
• 休憩
• 交響曲第9番「新世界より」---------------ドヴォルザーク
• アンコール;グルーヴィン・パレード-----山下洋輔

(演奏)

• 山下洋輔&スペシャル・ビッグバンド

(時・場所)

• 2016年7月28日(木)
• 19:00〜21:25
• サントリーホール・大ホール