古今亭菊志ん独演会   |
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2012年初夏。渋谷で若手噺家の第一回目の独演会が開かれた。 ゲストの志らくは何回か聞いていて、こういう話しぶりだな、ということがわかっていたが、菊志んはまったく初めてで、どういう人なんだろうという好奇心でいっぱいだった。 古今亭菊志んは明るい高座だった。 そして一生懸命だった。初めての独演会だから当然かもしれないが。トリで「短命」をやるつもりだったのが、志らくに先を越されてしまい、 あわてながらも堂々と「小言幸兵衛」をやったのには感心した。トリで出てくる時、こういう席では異常に長い間があったが、結果は勢いのある、流れるような「幸兵衛」だった。 「中村仲蔵」には不満が残った。一ヶ月半前、志らくの高座ですばらしい「仲蔵」を聞いたばかりだったので、それに比べるとだいぶ見劣りがした。ところどころつじつまの合わない ところはあったが、聞かせどころでは観客の心に訴えるものを持っていた。 渋谷の伝承ホールには初めて行ったが、壁が黒く塗られていて、横手に桟敷席らしき席を設けていて、昔の芝居小屋を意識したつくりだった。座席数もそれほど多くなく、落語を聴くには最適のホールだと思った。 |
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(時・場所) |