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ハマスホイとデンマーク絵画 / 出雲と大和 / 人、神、自然 / 田端文士村記念館 芥川龍之介の生と死


---ハマスホイとデンマーク絵画---

ハマスホイとデンマーク絵画
ハマスホイとデンマーク絵画
ハマスホイとデンマーク絵画

デンマーク絵画を見るのは初めてである。

会場にはハマスホイの他にクレステン・クプゲ、クレスチャン・アルブレクト・イェンスン、ダンクヴァト・ドライア等々数多くのデンマークの画家たちの作品が展示されていた。

いずれも空は曇っていて空気は冷たく、水は手を切るように冷たく、室内は重厚で豊かに描かれている。会場を見回すと絵画全体から北欧の雰囲気が放出されているようだ。

ハマスホイの絵も同様の印象であった。風景画はいずれも霧の中にあるようにぽんやりしている。室内を描いた絵は人物は後ろを向いている。晩年の作品は室内のみで人物さえ描かれていない。それでいて今まで誰かがそこにいたような雰囲気を漂わせている。

日本の画家で言うと東郷青児か。緻密で無機的である。東山魁夷の日本画のようにも感じた。

印象派主体のフランス絵画を見慣れている我々に「北欧のフェルメール」は新鮮な刺激を与えてくれた。

東京都美術館にて2020年1月15日(水)から2020年3月8日(日)まで開催中。


 ハマスホイとデンマーク絵画  ハマスホイとデンマーク絵画

(2020.2.13)


---出雲と大和 / 人、神、自然---

出雲と大和
出雲と大和
出雲と大和

会場に入ってすぐのところに陳列されている宇豆柱(うずばしら)を見ただけで失われた出雲大社本殿がいかに巨大であったかが推測される。

模型の本殿を見てもその雄大さに圧倒される。

古代の権威の象徴である青銅の鏡、銅剣、銅鐸、銅矛の数の多さにも驚かされた。古代、この場所に権力が集中していたことが伝わってくる。

2020年1月15日(水)から2020年3月8日(日)まで開催中。



《人、神、自然》

本館と同じ敷地内にあるアジア館ではカタールから来た「ザ・アール・サーニ・コレクション」が陳列されている。

「出雲と大和」展とは打って変わって派手な色彩の古代の工芸品を集めたコレクションである。

インドで生まれた仏教文化が東方ばかりでなく同心円状に世界に拡散したことがわかる。生み出された文化が民族性の違いによって、これほどまでに変化するものか。実に興味深かった。

2019年11月6日(水)から2020年2月9日(日)まで開催中。


 人、神、自然  人、神、自然



(2020.1.23)


---田端文士村記念館 芥川龍之介の生と死---

正面玄関
ポスター1
ポスター2

田端文士村記念館で「芥川龍之介の生と死」という企画展を開催している。

「田端散策マップ」を見るとよくもこんなに集まったものだ、と思うほど大勢の文士がこの街に住んでいた。

芥川龍之介を筆頭に室生犀星、萩原朔太郎、堀辰雄、二葉亭四迷、直木三十五、押川春浪、小林秀雄、田河水泡、竹久夢二、佐多稲子、平塚らいてう、林芙美子、等々。町内を歩けば誰か知っている文士に出会ったのではないだろうか。

館内には数十インチの大きいモニターがあり、室生犀星と芥川龍之介の出会いから交流に至るまでの経緯をまとめた動画を放映している。また、芥川龍之介の家の立体模型の説明と生前の龍之介の動画を放映している。動画の中で龍之介は息子(芥川比呂志=後に俳優)を木に登らせ、後から自分も登っている。身軽な動作で、意外に運動神経が良かったのではないか。

山手線内の駅の中でも田端というのは地味で目立たないイメージがある。この落ち着いた雰囲気がかつて文士たちを呼び寄せたのではないだろうか。

木登り マップ

2019年10月1日(火)から2020年1月16日(日)まで開催中。無料。

(2020.1.9)

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