谷中の墓地をひと回りするといろいろな名所旧跡に出会う。
日暮里駅で下車して反時計回りにひと回りすると、幸田露伴旧宅跡、朝倉彫塑館、岡倉天心記念公園、徳川慶喜の墓、下町風俗資料館、大名時計博物館、書道博物館、子規庵などに出会える。さらに数々の寺、下町情緒たっぷりの店など。
さらに少し歩くと東京藝術大学、黒田記念館、東京国立博物館、東京都美術館などがある。
まず訪れたのは朝倉彫塑館である。彫刻家、朝倉文夫が自ら設計監督し、コンクリート造りのアトリエ棟と木造の住居棟をうまく組み合わせてある。
建物を観察するだけでワクワクするほど魅力的に造られている。天井高さ8.5メートルのアトリエ、重厚な書斎、中庭には池を配し、屋根の上には彫刻が置いてある。
アトリエには高さ5メートルほどの巨大な井上勝像、3メートルほどの小村寿太郎坐像。美術の教科書に出ていた等身大の「墓守」像が置いてある。
まるでテーマパークのような家にどんな風に生活していたのだろう。
書道博物館には洋画家であり書家でもあった中村不折が蒐集した中国の書に関する資料が展示されている。
書といっても紙に書いたものではなく、甲骨、青銅器、瓦当、墓誌などに彫られた文字である。
ほとんどが石に彫られた文字である。よくこれだけの重量物を中国から運んだものだ。
11月9日(土)から12月20日(金)まで開催しています。
書道博物館の向かいに子規庵がある。
正岡子規終焉の地である。
子規が毎日見ていたであろう庭がほぼそのまま保存されている。
子規の生存中にはなかったラブホが林立する端にポツンと残っているのも何かおかしい。
(2019.11.7)
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