連日35℃の暑さ。上野の国立博物館の広くて薄暗い静けさが頭に浮かび、何をやっているかも調べずに行ってみた。
上野駅に着いてからが大変だった。人混みと喧騒とホコリと暑さ。博物館までの道のりが長かった。
博物館に入ったらそこはオアシスだった。休日の昼近くだというのに観客が少ない。ゆっくりと仏像たちを見ることができた。 観客の中には日本のお坊さんやオレンジ色の袈裟を着たタイのお坊さんもいた。
タイの仏像はどれも石像だった。硬い石を滑らかに削って磨いてある印象だ。透明感を感じた。
仏像はいずれも唇が厚く口角が上がっていて微笑むか微笑む直前のような表情をしていた。顔は日本の仏像に比べて細面で女性的だ。
立像はどちらかの足に体重をかけているため腰をくねっているかのように見える。
坐像はあぐらをかき左手は手のひらを上に正面に置き、右手は右膝のあたりに垂らしている。日本の坐像でこういう姿勢のものはなかったのではないだろうか。
タイの仏像は優しい。見て回るうちにこころが穏やかになっていく。
帰りがけに常設展の日本の仏像を見た。顔が四角く唇がまっすぐで何事かを決意しているような表情をしていた。
開催期間は2017年7月4日(火)から2017年8月27日(日)まで。東京国立博物館にて開催中。
静けさと安らぎを求める方ぜひ。
(2017.7.17)
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