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クラーナハ展/ 伊藤晴雨幽霊画展/ 始皇帝と大兵馬俑


---クラーナハ展---

チラシ

ルター

マルティン・ルター



正義の寓意

正義の寓意



アウグスト&アンナ

アウグスト&アンナ

クラーナハまたはクラナッハという画家は馴染みがないと思っていた。

が、左のマルティン・ルターの肖像画は見たことがあった。意志の強そうな男の顔が印象的で一度見たら忘れられない。

クラーナハは宮廷画家だそうである。貴族やその夫人の肖像画が多く陳列されている。一人一人が見事に描かれていて彼らの性格があらわになっている。500年以上前の人々なのにまるで親戚や職場の同僚のように身近に見える。

クラーナハには史実や聖書を題材に描かれたものも多い。チラシや門に掲げられた絵はその中の有名な一枚である。史実の人物たちはいずれも無表情である。「ホロフェルネスの首を持つユディト」はぞっとするほど無表情である。そして魅力的である。史実の人物はあまり身近に感じてはいけないのだろう。

顔の表情だけではない。クラーナハが描く宮廷の婦人たちの衣装は素晴らしい。この部分だけ布でできているのでは…、と思わず顔を近づけてしまった。左の「ザクセン選帝侯アウグスト」や「アンナ・フォン・デーネマルク」の衣装は写真ではわからないがいくら見ても見飽きないほど素晴らしいデザインと質感をもっていた。

クラーナハが描いた衣装や装身具を見るだけでも半日を費やして見に行く価値がある。世界10カ国以上の美術館から集められた100点以上の作品を半日で見るチャンスなど二度とないのだから。

国立西洋美術館にて2016年10月15日(土)から2017年1月15日(日)まで開催しています。


(2016.12.27)

入場門 入場門

---伊藤晴雨幽霊画展---

チラシ

案内

外観

両国の江戸東京博物館でやっている。

落語家の五代目柳家小さんが全生庵という寺に寄贈した絵が19点展示されている。いずれも幽霊に関係した絵である。

チラシの絵は「皿屋敷のお菊」という題名で、非業の死を遂げた菊の儚い運命を表すかのような女の絵だ。水彩のかすれたタッチは幽霊を表すのにふさわしい。

このほか「猫の怪談」という絵は死人を入れた樽の上に黒猫が乗っていて樽の蓋を押し上げて幽霊が顔を出している。行灯の灯りがかすかに揺れている。

「怪談牡丹燈籠」では二人の女が提灯を手に夜道を歩く様子が描かれている。

その他「姑獲鳥」「盂蘭盆会の亡者」「猪熊入道」などなど。古来から伝わる幽霊話を絵にしたものである。伊藤晴雨の筆のタッチはあくまでも薄く、儚く、幽霊にふさわしいものとなっている。

開催期間は2016年8月11日(木)から9月25日(日)まで。


隣の国技館では大相撲秋場所の真最中であった。

(2016.9.11)

上り旗

---始皇帝と大兵馬俑---

案内板

群像

将軍

将軍は穏やかな顔で立っていた。

紀元前3世紀の人とは思えないほど現代的な顔であった。他の7体の兵馬俑、兵隊たちや御者たちも今を生きる人の表情で立っていた。

前に立つと気配が伝わってくるほど彼らは存在感があった。考えてみれば彼らは陶器なのだ。

中国政府が博物館用に作った兵馬俑の群像はただの陶器としてそこにあるのに、8体の本物たちは陶器にもかかわらず気品をたたえていた。

土曜日の朝、兵馬俑のいる国立博物館の平成館第二陳列室には数人の観客がいるのみであり、紀元前に生きていた兵隊たちとゆっくり対面することができた。

これから行く方は9時半開館と同時に入館し、説明書きやその他の出土品を集めた第一陳列室をスルーして第二陳列室にいる兵馬俑にいきなり対面することをお勧めする。彼らは穏やかに迎えてくれるだろう。30分後に観客にとりかこまれるまで。

開催期間は2015年10月27日(火)から2016年2月21日(日)まで。

国立博物館







  (2016.1.9)


科学博物館ではワイン展をやっていた。

おしゃれなワインの世界を楽しみたい方はこちらへどうぞ。

開催期間は2015年10月31日(土)から2016年2月21日(日)まで。

ワイン展 案内板

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