2015年  一覧へ
クレオパトラとエジプトの王妃展/ ボルドー展/ みちのくの仏像


---クレオパトラとエジプトの王妃展---

パンフ

パンフ

パンフ
カエサル像とネフィルトイティ像

会場に入るといきなりブロンズのクレオパトラ像が置いてある。見事な「つかみ」だ。

半裸のクレオパトラが腕に小さな蛇をあてがい咬みつかせている構図だ。腰の下に小さな布をまとっているだけのクレオパトラはヴィーナスといっても通用する姿だ。

これで観客は一気に古代エジプトの世界に入り込むことになる。周りを見ると観客の8割は女性だ。クレオパトラは女性の集客力に強力に作用するようだ。

中に入るとおなじみのスフィンクスや石造や石棺が数多く飾られていて古代エジプト好きにはたまらないだろう。

印象的だったのはカエサル像とネフィルトイティ像。この二つの(ふたりの)像だけがまるで現代人のように見える。

カエサルはベンチャー企業の社長のように見えるし、ネフィルトイティは現代のスーパーモデルのように見える。

会場にいる間、頭の中ではバド・パウエルの「クレオパトラの夢」とマイルス・デイビスの「ネフィルティティ」が交互に鳴っていた。

開催期間は2015年7月11日(土)から9月23日(水)まで国立博物館にて。女性必見である。

国立博物館







  (2015.7.18)

---ボルドー展---

パンフ

パンフ
ボルドーの港と河岸の眺め

眼鏡ふき
眼鏡ふき

フランスの港町ボルドーのボルドー美術館所有の美術品を中心に展覧してある。

入り口近くに飾られた大作ピエール・ラクール作「ボルドーの港と河岸の眺め」は本展覧会を象徴している。

ボルドー港に集まるさまざまな人々を細かく描いている。船の上では漁師が魚を捕り、岸では船を解体している。港に面した道をのんびり散歩する人。港の絵を描く人、それをのぞき込む婦人。実はこれはピエール・ラクール本人と彼の娘である。左のほうには眼鏡をかけた彼の息子もいる。遠くではものを売る人。建物のベランダでは女性が洗濯物を干している。

この絵一枚見るだけで18世紀のボルドーを訪れた気分を味わえる。

その他陶器でできたワイン・クーラーとか煙草入れとか当時のボルドーの産業がうかがえるものが飾られている。ワインのラベルが何種類もあり、それぞれ美術品といってもいいほど美しい。

ワインのポスターに使ったような絵があり、その図柄の眼鏡ふきを買ってしまった。

開催期間は2015年6月23日(火)から9月23日(水)まで国立西洋美術館にて。9時半から開いているので早い時間に行くと落ち着いて観ることができる。

国立西洋美術館







  (2015.7.18)

---みちのくの仏像---

パンフ

パンフ

みちのくの仏像たちは質素なたたずまいだった。

上野に来る前は東北の小さな寺で人目に触れることのない日々だったろう。

秋田・小沼神社の聖観音菩薩立像は小柄な体ですっとしたたたずまいだ。地味だけれど言うべきことは言う、やるべきことはやるしっかりした婦人のようだ。

山形・本山慈恩寺の十二神将立像は十二体のそれぞれ違う動きをする神将を緻密に表現し、一体一体の形が興味深い。

岩手・黒石寺の薬師如来坐像は小さな日光・月光菩薩を従え、奈良・薬師寺のそれとは趣の違うたたずまいを見せている。

初期の円空作の仏像は後期のものとは違い丁寧に彫ってある。

狭い部屋に少数の仏像たちであるが、それぞれが自己主張をしていて面白かった。

開催期間は2015年1月24日(水)から4月5日(日)まで。

国立博物館







  (2015.2.11)

Copyright(C) 2012 Umayakaji.com ALL rights reserved.