会場に入るといきなりブロンズのクレオパトラ像が置いてある。見事な「つかみ」だ。
半裸のクレオパトラが腕に小さな蛇をあてがい咬みつかせている構図だ。腰の下に小さな布をまとっているだけのクレオパトラはヴィーナスといっても通用する姿だ。
これで観客は一気に古代エジプトの世界に入り込むことになる。周りを見ると観客の8割は女性だ。クレオパトラは女性の集客力に強力に作用するようだ。
中に入るとおなじみのスフィンクスや石造や石棺が数多く飾られていて古代エジプト好きにはたまらないだろう。
印象的だったのはカエサル像とネフィルトイティ像。この二つの(ふたりの)像だけがまるで現代人のように見える。
カエサルはベンチャー企業の社長のように見えるし、ネフィルトイティは現代のスーパーモデルのように見える。
会場にいる間、頭の中ではバド・パウエルの「クレオパトラの夢」とマイルス・デイビスの「ネフィルティティ」が交互に鳴っていた。
開催期間は2015年7月11日(土)から9月23日(水)まで国立博物館にて。女性必見である。
 
(2015.7.18) |