あまりなじみのないスイスの画家だ。そのせいか比較的すいていた。 生涯を通してスイスで活動したホドラーの画風は独特で初めすんなり入ってこなかった。
そのうちにこの画家は人物にしても風景にしても「白」を多用する画家だ、ということに気が付いた。 我々がスイスにイメージする色は「白」だ。雪の白、氷の白。お札のデザインになった「木を伐る人」のバックは白い雪、そして灰色の空だ。「草を刈る人」の空は白い雲、青空はほんのわずかしか見えない。
「白」をバックに活動する人の体は男性も女性もたくましい。たくましくなければ生きていけないとでも言っているようだ。 そして人物がリズミカルに動いているのもホドラーの特徴だ。「木を伐る人」にしても「草を刈る人」にしても、あるいはその他の絵におけるホドラーの人物はすべてリズミカルに動いている。
日本であまり見ることのできないスイスの画家フェルデナント・ホドラー。狭い世界の中に閉じこもらないためにも見ておくべきだと思う。
2014年10月7日(火)〜2015年1月12日(月) 国立西洋美術館
(2014.12.26)
ホドラー「草を刈る人」
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